「マーケティング志向のための7つの行動則」の3項目となります。
販売促進を考えてつづけると、「いかに買わせるか」と、考えがちです。
しかし、決して忘れてはならないのは、「商品を購入するのは、お客様ご自身」ということです。
どのようなプロモーションを展開するのかを考える前に、
まず、「お客様の立場」で「どうやったら購入したくなるか」を考えてみましょう。
[目次]
2.お客様の考え方から逆算した、適切なコミュニケーションを取る
1.お客様(見込み客)の立場で考える
お客様の立場で考えてみると、
「今年、会社員になったばかりの山田さんは、通勤の電車の中で、
今度のクリスマスに、彼女とどこでデートしようかと考えている」
だったり、
「子供を二人抱えているお母さんである吉田さんは、たまたま入った本屋で、
栄養価が高くて、さらに時短で作れる料理が掲載されている本を、欲しいと考えている」
といった形になります。
「お客様の立場で考える」を言い換えると、
「だれ」が「こういう時」に「こんなことを考えている」
の組み合わせで表すことができます。
お客様の考え方が分かると、どのような働きかけをすれば、購入したくなるか、ということが、見えてきます。
このとき、どう頑張ってもお客様にならない人を狙うと、思考を進める意味がなくなってしまいます。
できるだけ、お客様になってくれそうな「だれ」を選ぶようにしましょう。
(これを「ターゲティング」と言います)
もし、競合商品に比べ、自社商品が、全ての面で優れているのであれば、
どんなお客様でも、自社商品を選ぶ可能性が高いため、「だれ」を決めることは簡単です。
しかし、競争が激しい業界では、そう簡単には行きません。
強力な競合他社がいるときには、自社の商品をお客様に選んでいただくために、工夫が必要です。
たとえば、「店舗が近くに住むお客様を狙おう」といったことです。
条件を限定することで、ターゲットを自社が優位に立てるよう絞り込むことを「ポジショニング」と言います。
販売促進と製品開発に、方向性を決めるためには、ターゲットと、ポジショニングが必要になります。
1.1.「だれ?」を決める
属性は
「ジオグラフィック(地理的変数)」
「デモグラフィック」
「購買データ」
などがあります。
購買行動に大きく影響する属性、そして、
自社の商品特性に合わせて、どの属性を採用するかを、
決めましょう。
ジオグラフィック
住んでいる場所、勤務地といった、地理情報です。
適用される例として、食料品を購入するスーパーがあげられます。
自宅からの便利の良い店舗で購入することが多いからです。
スマートフォンが普及で、ひとりひとりの位置情報は、
Google、キャリアといったプラットフォーマーに、
日々収集されています。
いままでのように、住所といった定点的な情報だけではなく、
「ある場所に訪れたことがある」ということを
ターゲティングの条件にして、プロモーションを行ったり
自社に来店している人が、どこに住んでいる人が多いのかといった
市場調査を行うことも可能になっています。
(ジオマーケティングと呼ばれています)
デモグラフィック
「性別」「所得」「身長」など、さまざまな属性がありますが、
代表として、「年齢」が挙げられます。
「年齢」を採用する例としては、学習塾や予備校です。
中学受験、高校受験であれば、年齢が決まっており、
大学でも、そこまで幅がないからです。
育児用品の場合は、子供が生まれたときに必要になりますが、
子供の生まれる年齢は、ある程度の幅を持っているため、絞り込めません。
こういったときには、「ライフステージ」と呼ばれる属性を用いることになります。
サイコグラフィック
感覚的な情報になります。
「おしゃれな生活にあこがれている」といった感じでしょうか。
感覚的に、自社商品の刺さりやすいターゲットを絞り込むことができます。
ただし、抽象的であるがゆえに、100%正しいと言える絞り込みにはなりません。
購買行動データ
お客様の過去の行動です。類推を挟まない信頼性が高いデータなので、
既存顧客からの売上拡大を目指すのであれば、優先的に採用すべきです。
現在は、キャッシュレスの普及を通して、一つの店舗だけでなく、
オンライン、オフラインを超えた横断的な購買データが取得できるようになり、
人間では分析できないほどの分量と複雑さとなっています。
そのビッグデータを、AIを用いて分析解析することで、
今までにない、新しいターゲットの絞り込みも、可能になっています。
このように、「だれ」ということを、決めていきますが、
このとき、忘れてはならないのが、
購入にあたっての決裁者(キーマン)を見抜くということです。
お客様と一言で言っても、
「決める人(決裁者)」と、「使う人(現場)」が異なる場合があります。
特に、企業では、調達部が購入し、生産現場で消費することがあります。
大きな購入になれば、上長や役員が決済にかかわることもしばしばです。
特に、大型の法人営業では、注意が必要です。
商品を買っていただくためには、
購入を決定する「決裁者」と、「現場」の両方に
注意を向けなくてはなりません。
なぜなら、まず決裁者に採用して頂けないと、
どれだけ現場にとって良い商品であっても、現場に届かないからです。
かとって、決裁者だけを見ていたとしても、
現場に興味を持っていただくことができなければ、
最初に候補として選んでいただくことも、上長に上申して頂くこともできません。
このように、BtoBのような、多くの関係者がかかわる購買を扱うための手法として、
「だれ」という対象を、人ではなく、会社という単位でとらえる
「アカウントベースドマーケティング(ABM)」と呼ばれる手法が存在します。
1.2.購買に至る経緯をたどる
お客様は、商品をみたら、すぐに購入されるのでしょうか?
缶ジュースのように、安価で、すぐに使い終えるものであれば、そうかもしれませんが、
マンション、車のような、一生に数えるほどしか買わない商品であれば、
じっくり検討して購入に踏み切るはずです。
お客様を購買という行動に導くためには、
お客様がどのような過程を経て、購入に至るのかを理解しなくてはなりません。
例を挙げて考えてみましょう。
都心の商社で働いている35歳男性の佐藤さんは、
今度の夏休みに、家族でレクリエーションに行きたいと考えています。
佐藤さんは、小学生4年生になった子供と、思い出に残るような、
それでいて教育にも良い経験をさせてあげたいと考えています。
佐藤さんは、登山、遊園地、映画鑑賞を選択肢として考えています。
通勤中にスマホを使ってWEBサイトでいろいろと情報を集めてみました。
すると、
登山で自然に触れることが子供の情操教育に良いこと、
連休は遊園地が混雑していて快適ではないこと、
映画館が日常的であまり思い出に残らないことを知り、
登山を有力な候補として考え始めます。
佐藤さんは、次に、登山にあたって必要な準備を調べ始めます。
すると、シューズ、ザック、ウェアといった道具が必要であることが分かりました。
佐藤さんは、「価格的にリーズナブル」で、「安全に不安がない」ウェアを
購入したいなあ、と思うようになりました。
ウェアをWEBで調べてみると、モンベル、ノースフェイス、パタゴニアといったメーカーがありました。
安全性と価格のバランスを考え、モンベルの「プラズマ1000」という製品がベストだと判断し、
モンベルの商品を購入したいと思うようになりました。
ですが、奥様に相談しないと怒られそうなので、
自宅に帰り、相談したうえで承諾を得て、購入することができました。
佐藤さんの経緯ですが、
家族でレクリエーションを楽しみたいという要望から、
ウェアを買いたいという手段が具体化しました。
そのなかで、「安全性」と「価格」の両立という、
自分がこだわる条件に気づきました。
そのあと、商品を探し、多くの商品の存在を知り、
そのなかから、自分がベストと思う商品を購入することを決めました。
ただ、それを購入するにあたっての
懸案を解消してから、実際の行動を行いました。
つまり、購入の段階では、
「要望が顕在化し、手段が具体化している」
「商品を知っている」
「お客様にとってのベストと考えている」
「懸案がない」
の4つの条件が満たされているということです。
この4つの条件のクリアを考えることが、プロモーションの基本です。
1.3.どんなことを考えているのかを推し量る
さきほどの佐藤さんの例を、もっと精緻に見ていきましょう。
佐藤さんが通勤電車のなかでスマホを使ってWEBサイトを調べているときです。
「うちのこどもは、運動が好きだから、体を動かせるようなところがいいなあ」
「会社の先輩も、こどもと登山に行って、とても楽しかったと言ってたし、登山はいいかも!」
「でも、最近、登山で事故があるということもよく聞くし、大丈夫かな」
「登山道具も結構高いって聞くし、あんまり高いなら、辞めたほうがいいかも」
「最近、ポケモンにはまっているから、映画館でも、喜んでくれるんじゃないかな」
「まあでも、映画館で観なくても、そのうちテレビでやるよね。せっかくだし、外に行きたいなあ」
「奥さんは、きれい好きだから、トイレがない登山は嫌がるかも」
「奥さんはディズニー好きだから、ディズニーランドなら、嫌な顔はしないだろうなあ」
「でも、こどもとの良い思い出なら、ディズニーランドより登山がいいよねぇ。混んでそうだし」
「うーん、なやむ。。」
といったところでしょうか。
佐藤さんの判断に登山における「予算感」「危険性の有無」「衛生設備の有無」も
影響していることが分かります。
ですので、「初めての登山の予算感」「安全な登山道のご紹介」「トイレがきれいな登山道」といった記事があれば、
不安が払拭され、登山をしようという気持ちが強くなるかもしれません。
佐藤さんの思考を追うにあたっては、
行動を左右する「悩み」「なぜ」「理想」「ハードル」を意識しましょう。
また、佐藤さんが情報を調べるにあたってどういう媒体を活用するのか、ということも非常に大切です。
なぜなら、佐藤さんに情報を届けるためには、佐藤さんが普段から活用している媒体に、
情報を掲載しないと伝わらないからです。
佐藤さんは、いろいろな情報を集め、
奥さんに「子供の思い出作りに登山が良いこと」
「最近は登山道も、トイレが整備され、安全になっていること」を伝えると、
思った以上に良い反応が返ってきました。
そして、相談して、登山にいくことが決まりました。
登山に向けての準備を進めるにあたり、
まず、必要と思われるウェアについて調べ始めました。
佐藤さんは、まず「登山 ウェア おすすめ」で検索しました。
すると、「登山ウェアって何が必要?必要な登山ウェアとおしゃれな着こなし紹介」
「登山ウェアのおすすめブランド4選。おしゃれ重視の方も要チェック」
といったサイトが見つかります。
読んでいると、「重ね着が基本」「防水性、耐摩耗性も重要」ということを知ります。
そして、「モンベル」「パタゴニア」「ノースフェース」といったおすすめブランドのことを知ります。
ですが、価格を見ると、どこのメーカーもそこまで安くはありません。
家族全員分となると、かなりの金額になりそうです。
ただ、最近は、日常使いできるトレッキングウェアもあるということで、
デザインも気にして選びたいと思うようになりました。
佐藤さんは、「日本製が好き」なので、第一候補は「モンベル」だと思い、
一度店頭に行ってみることにしました。
店頭に行ってみると、いろいろなデザインのウェアが展示されています。
ハードシエル、ソフトシェル、ダウンジャケットというジャンルがあり、
普段使いなら、ダウンジャケットがよさそうです。
でも、ダウンジャケットなら、ユニクロのダウンジャケットなら、もっと安く手に入ります。
あえて、モンベルを選ぶ必要があるのでしょうか?
ダウンジャケットの機能を見てみると、「防水性」が高いことが記載されています。
そういえば、登山では、急な雨天に遭遇することもあり、防水性が大切であること、
登山中に体温を奪われることが生死の危険につながることを思い出しました。
佐藤さんは、「プラズマ1000」という商品を手に取り、購入することにしました。
ただ、佐藤さんは「プラズマ1000」をベストな商品だと考えられていますが、
奥様に許可を取らずに買うと、喧嘩の種になりそうだったので、
そのときは商品を買わず、家に帰って、奥様と相談されることにしました。
奥様に、普段使いできることを伝えると、納得し、了承を得ることができたので、
翌日、お店に行って、商品を購入することができました。
佐藤さんにとっては、
「日常使い出来るデザイン」「日本製」「防水性」が重要な要素でした。
それらの要素を満たすプラズマ1000は
佐藤さんにとっての「ベスト」になり、購入に至ったと言えます。
店頭での「安心の日本製」「防水性」のアピールが、購入の後押しになっていますが、
このように、お客様がどのようなことを商品の選定の条件としているかは、
お客様とのコミュニケーションを設計するにあたり、とても重要になります。
商品以外に障害があって、購入できないときには、
その障害がなくなるのを「待つ」しかありません。
(あるいは、懸案をクリアできるように後押しする必要があります)
お客様の考えをたどるにあたり、状況や思考は精緻であればあるほど、
多くの気づきを得ることができます。
しかし、消費者は多様であり、「佐藤さん」のような人だけではありません。
先輩からのお誘いで週末に急に登山することになった裕福な独身男性であれば、
職場の近くの登山店にふらりと立ち寄って、金額にこだわらず、店員のおすすめに従って即決することもあるでしょう。
流入はさまざまなパターンを想定しておくことが望ましいです。
また、あまりボリュームのないターゲットを設定しても効果が薄いので、
ターゲットはボリュームを期待できるように設定しましょう。
上記のような、お客様/見込み客の購買行動の思考を辿ることを
カスタマージャーニー/バイヤーズジャーニーと呼びます。
イメージしやすくするために、佐藤さんのような仮想の人物を設定することがあります。
それをペルソナと呼びます。
年齢、職業、趣味、性格といった詳細な情報を決めていきます。
多くの文献が存在するので、ここでは触れませんが、
自社が重点を置いてコンタクトを取りたいターゲットをしっかりと作っておけば、
ペルソナの設定もスムーズになります。
しかし、いくら頑張ってペルソナやターゲットを設置しても、
必ず、自社が想定していない経緯で購買に至ることがあります。
無責任な言い方ですが、自社商品がお客様の要望を叶えるものであれば、
今の時代はSNS、口コミを通して、自然に売れていくようになっています。
優位なポジションを取ること、ターゲットを絞った効率の良い情報発信だけに囚われることなく、
社会の役に立つこと、自社のことを正直に分かりやすく伝えることを、
忠実に、愚直に積み重ねることも、大切と言えます。
2.お客様の考え方から逆算した、適切なコミュニケーションを取る
前章では、購入の条件として、
「要望が顕在化し、手段が具体化している」
「知っている」
「ベストであると考えている」
「懸案がない」
を挙げました。
お客様が商品を買いたいと思っていただくためには、
のコミュニケーションを通して、これらの条件をクリアしていかなくてはなりません。
つまり、すでに「要望が顕在化し、手段が具体的になっている」お客様に対して、
1.知ってもらう
2.信頼してもらい、ベストだと認めてもらう
3.懸案が解消するのを待つ/懸案の解消を後押しする
ように、コミュニケーションを取っていくことになります。
これから、その3ステップで、どのようなことを心がければよいのか、触れていきます。
2.1.知ってもらう
お客様に自社のことを気づいていただく、知って頂くためには、
情報を発信していくことになります。
「だれ(ターゲッティング)」と、精緻な「カスタマージャーニー/バイヤーズ」をもとに、
お客様がどのような媒体を見ているのか、
どのようなことに興味があるのか、ということを読み解き、
最適な方法を逆算しましょう。
情報発信には、いろいろな方法があります。
テレビ広告、新聞広告、雑誌広告、ラジオ広告、SNS、ブログ、ホームページ、
看板、ダイレクトメール、メルマガ、チラシ、etc…など、さまざまです。
情報発信には、費用が掛かりますので、
費用対効果を振り返りながら、最適化していきましょう。
このステップをすすめるにあたり大切なことは、
今後もコミュニケーションを継続するために、
こちらからお客様にアクションを起こせるような、
情報(電話番号、メールアドレス、住所など)を取得しておくことです。
次のステップをスムーズに進めることができます。
(連絡手段を確保できた見込み客のことを「リード」と呼びます。)
なぜなら、一度情報を伝達する手段を確保できれば、
「興味を持ってもらうこと」ではなく、「本当に伝えたいことを伝える」ことに
重点を置くことができるからです。
2.2.信頼してもらう/認めてもらう
私が、東京で初めての一人暮らしを始めたころ、
何度も繰り返される新聞の強引な勧誘に辟易として、
二度とその新聞は取るまいと思いました。
販売促進を意識しすぎて、購入という行動を過度に押し付けようとすると、
逆に、購入という行動を遠ざけてしまう危険性がある、ということです。
BtoBでは、高額で、かつ、長期間使用する機材を購入することがあります。
そういった場合、正しい買い物をしたい、間違えた買い物をしたくないという気持ちが働き、
より慎重になります。つまり、この「信頼してもらう/認めてもらう」というステップが重要になります。
お客様からの問い合わせ、ご相談に対しては、単純に答えを返すだけでなく、
そこから、お客様の要望が「本質的にどういうことか」「何がお客様の満足度を高めるのか」を
読み取ることがとても重要です。
お客様から引き出した「こだわり」に沿った形で、こちらからお客様に情報をご提供していけば、
相乗効果で、お客様の信頼を獲得することができます。
(お客様からの質問に答える形で情報を提供することをプル、
こちらから積極的に情報を提供することをプッシュと呼びます。)
このお客様の「こだわり」を引き出す過程で、「何が大切か」に注目することも大事ですが、
逆に、「何が大事でないか」ということに注目することも大切です。
なぜなら、「大事ではないこと」が分かれば、価格を抑えることができるからです。
(イノベーションのジレンマでは、ニーズのないアイデアを切り捨てる重要性が言及されています)
例ですが、一般のホテルでは、剃刀や歯ブラシは客室に備え付けですが、
チェーン展開をしているビジネスホテルのスーパーホテルでは、
備え付けの用意がなく、フロントで購入する形式をとっています。
これは、「剃刀や歯ブラシを自宅から持参する人」「剃刀の不要な女性」にとっては、
客室に備え付けにする必要性がないからです。
いかにお客様に貢献できるか、という目線でお客様に寄り添い、
お客様の要望の明確化、お客様の満足度を高める条件の明確化をお手伝いして、
お客様がより満足度の高い選択肢を選べるようにすることを心がけましょう。
この結果、お客様が自社の商品を認めてくだされば、
お客様は自然と、自社商品を買いたいと思われるはずです。
2.3.待つ/後押しする
お客様から信頼をしてもらい、さらに、商品を認めて頂いたとしても、
なかなか購買に至らないことがあります。
特に、BtoBにおける金額が大きい設備投資では、
早めの情報収集を行うこともあります。
社内の稟議を通したり、社内調整を行ったりといった事前準備が必要なので、
必然的に、早めに情報収集を行うことになります。
そのため、実際の購入までにタイムラグが空くことがあります。
いままでの過程で、せっかく、お客様に知って頂き、信頼していただき、認めて頂きながら、
タイムラグの間に、他社にお客様を奪い取られてしまうほど、悔しいことはありません。
お客様が、今すぐに商品を購入されなかったとしても、将来、購入する可能性があれば、
関係性が切れないように、コンタクトを取り続ける必要があります。
営業担当が定期的に連絡を取る、
SNS、メールマガジン、機関誌といった情報発信を定期的に行い、自社のことを思い出してもらえるようにする、
などです。
優良な見込み顧客を失わないよう、
顧客管理データベース(CRM:Customer Relationship Management)を導入して、
定期的なフォローを行うことで、優良な見込み顧客のフォローに漏れや抜けのないよう管理することも大切です。
購買を保留にしていたお客様が、ふたたび、購買の検討が始めたときには、
自社もタイミングを逃さず、迅速にアプローチしなくてはなりません。
お客様からのご相談、店舗への来店があれば、とても分かりやすいシグナルとなります。
マーケティングオートメーションを導入すれば、
サイトへのアクセス、メルマガの開封を検知することができるので、
定期的な情報発信に対するお客様の反応を見ながら、購買意欲の高まりを察知することも可能です。
お客様が購入に至らない理由が明確であれば、
その障害を取り除くことで、購入を後押しすることもできます。
たとえば、価格が障害であれば、セールを行うことで、購買を後押しすることもできます。
使用感に対する不安が障害になっているようであれば、試用キャンペーンを行い、
不安を払拭することが、購入を後押しすることができます。
購入したいという気持ちがあれど、実際に購入に至っていないお客様/見込み客を掘り下げることで、
なにが障害になっているのかを理解することができれば、購買を強力に後押しできるプロモーションが可能になります。
これまで、購入までの経緯を
1.知ってもらう
2.信頼してもらい、ベストだと認めてもらう
3.待つ/後押しする
と記載しましたが、
実はこれ以外にも、AIDMA、AISAS、SIPSといった、
さまざまなモデルが存在します。
いずれにせよ、お客様の状況に合わせたコミュニケーションを取ることが
大切であるということには相違ありません。
多くのお客様に商品を購入して頂こうとすれば、
より多くの人に、信頼して頂いたり、認めて頂いたりしなくてはなりません。
しかし、そのためには、さらに多くの人に、知ってもらう必要があります。
これを図表化したものをファネルと呼びます。
しかし、実は、お客様に購入していただいたとしても、実は、それで終わりではありません。
たとえば、佐藤さんが今後も登山を続けられることになれば、
新たな登山道具を買おうと思われるかもしれません。
ですから、ご購入いただいた次のステップとして、
「満足していただいて、更に購入していただく」というアプローチにつなぐ必要があります。
2.4.満足度を高める
佐藤さんがトレッキングウェアを購入されたとして、それで終わりでしょうか?
今後も、佐藤さんが登山を続けられることになれば、
また新たに、登山道具を購入されることになるでしょう。
つまり、お客様に「満足してもらう」ために、工夫を凝らすことは、
さらに商品を買っていただくことに繋がると言えます。
購入された商品のメンテナンスをお手伝いしたり、
お客様にお役立つ情報をご提供することで、
満足度を更に高めるよう、取り組みましょう。
この「購買をきっかけとして、更なる購買を促進する考え方」を、
さきほどのファネルを発展させた図表をフライホイールと呼びます。
商品を購入してくださったお客様に満足してもらうことは、
商品の再購入、あるいは、関連商品の購入につながるだけでなく、
自社の「良い口コミ」が広がり、他の見込み客の購買意欲を高めることに繋がります。
(逆もまた然り、低い満足度が原因で、多くの見込み客を失ってしまうこともあります。)
お客様の、おひとり、おひとりを丁寧にフォローをすることを心がけ、
満足していただくようにしましょう。
〇「マーケティング志向のための7つの行動則」
・お客様/見込み客の立場で考え、適切にコミュニケーションする
〇 「マーケティング志向のための7つの行動則」の目的
マーケティングの基準軸を明確にすることで、創意工夫による、「需要の創造」「新商品の創造」「新技術の創造」「市場の創造」を促進する。
〇 「マーケティング志向のための7つの行動則」の意義
マーケティング志向を広めることで、企業の成果物を、適切な消費者にご採用いただくことを促進し、社会の進歩発展に貢献する
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