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顧客に寄り添い、顧客との信頼関係を築く「インバウンドマーケティング」とは

岡村匡倫
Posted by 岡村匡倫 on Jul 22, 2022 11:58:54 AM

 

ビジネスで売上を上げるためには、営業活動が必要不可欠です。しかし営業、自社商品のアピールを一方的にまくし立てる、あるいは、相手の要望も無視して、強引に商品を売り込んでいく、相手の気持ちを無視した「飛び込み型」の営業活動を続けても、ほとんどのお客様は、嫌な気持ちになるだけで、決して「買いたい」とは思いません。また、取り組んでいる営業担当も、お客様の拒否反応にさらされ続けることで、精神的に疲弊してしまいます。

石門心学で有名な石田梅岩は「実の商人は先も立ち、己も立つ」と説いています。買い手、売り手、ともに幸せになってこその商いの道、ということです。つまり、商いを成り立たせるには、お客様に喜んで頂くことが必要条件と言えますが、これは、営業活動においても同様です。

 

グローバルにおけるMAトップシェアを誇るHubspot社の創業者、ブライアン・ハリガンは、お客様に「この人から買いたい」と思わせるマーケティング手法を「インバウンドマーケティング」と名付け、提唱しています。消費者は、商品購入の際、より良い判断を下すために、必ず情報を収集します。もし、自社が、この情報収集で貢献することができれば、消費者からの信頼を勝ち取ることができます。インバウンドマーケティングを学べば、信頼を後押しとして、顧客が自ら買いたくなる、スムーズなマーケティング活動を展開することができます

 

今回は、「インバウンドマーケティング」の概要を、共有させて頂きます。インバウンドマーケティングは、マーケティングオートメーションの根幹となる概念です。インバウンドマーケティングを学ぶことで、マーケティングオートメーションの仕組みを理解することができます。顧客に寄り添う、顧客との信頼関係を築く、お客様と共にスムーズでスマートな成功を実現するためにも、ぜひ、ご覧ください。

※ Hubspot社は無料でのEラーニング教材を提供しています。こちらから受講できます。

 

インバウンドマーケティングを実践すべき理由

インターネットの普及による購買行動の変化

インターネットが登場してから、消費者は、店舗に訪問する前に、自分自身でインターネットを使って、下調べをするようになりました。つまり、店頭に商品を並べても、インターネット上で情報を公開していなければ、選択肢に入ることさえありません。消費者に自社の存在を知って頂くためにも、消費者が求める情報をインターネットで公開することが必要不可欠と言えます。

※ Googleは、このことをZMOT(Zero Moment of Truth)という言葉で呼んでいます。

 

情報過多とプッシュ型情報発信への拒否感

消費者は、インターネットを介して、多くの情報に集めるようになりました。時代の変化を察知した多くの企業も、消費者に選んでもらえるように、インターネット上で活発に情報発信しています。その結果、インターネット上のコンテンツ量は増大し、アクセスの奪い合いが激しくなりました。さらに、企業が手掛ける広告を主としたプッシュ型情報発信は、情報の氾濫を引き起こしています。

情報の氾濫により引き起こされる混乱を嫌った消費者は、自らが能動的に集める情報のみを信頼し、企業から押し付けられる情報を避けるようになっています。情報をただ発信するだけでは、情報は消費者に届かず、消費者の心を動かすこともできません。企業が発信したい情報ではなく、消費者が求める情報を、提供しなくてはなりません

 

購買後押しの必要性

ウェブサイトが顧客創出のための強力な手段であることは、間違いありません。しかし、ウェブサイトへのアクセスが、そのまま購入に至る確率は高くありません。高額な商品においては顕著です。また、購入するとしても、情報収集で訪れたサイト運営企業から購入するとは、限りません。

自社商品の購入を後押しできるほどの強固な信頼関係を構築するには、コミュニケーションを消費者ひとりひとりにパーソナライズすることが重要ですインバウンドマーケティングでは、サイト来訪者との直接的な繋がりを創出します。そして、顧客が「何に興味があるのか」「どういったことを求めているのか」を読み解き、さらなる情報を提供することで、自社が相手にとって重要なパートナーであることを伝え、信頼関係の構築を目指します。

 

 

インバウンドマーケティングの構成要素(用語)

目標

自社がこれから行うマーケティング施策を通して、どういったことを達成したいのか

 

コンタクト

自社のマーケティングや営業、業務提携などの関係構築の対象となるすべての人物、相手

 

バイヤーペルソナ

呼び込みたい理想的な顧客像

 

バイヤージャーニー

顧客が、自ら積極的に調査を行いながら、購入に至るまでのプロセス

 

コンテンツ

読み手の課題解決に寄与する情報

 

 

インバウンド手法をマーケティングに導入するには

前提となる哲学を理解する

インバウンドマーケティングは、「消費者が求めていることは、商品を押し売りされることではなく、知識を得ることである。」「消費者や顧客が必要としている情報を提供すれば、顧客は適切な情報に基づいて、より良い判断を下せるようになり、最終的には顧客の成長に繋がる。それに寄り添うのが企業の役割である」という哲学を前提にしています。インバウンド手法に取り組むにあたり、まず、このことを、理解しなくてはなりません。

顧客を最優先に考える企業文化は、顧客からの信頼を育みます。信頼は、どのような競合他社に負けない、有利な立場を築いてくれます。顧客は、最優先に考える心のこもったサービスを享受した顧客は、自社のすばらしさを周囲に喧伝するようになり、最終的には、好意的な口コミにより、競合他社の宣伝は、かき消されるようになります。

 

自社の社会的役割の明確化

インバウンドマーケティングでは、従業員ひとりひとりが自律的に、お客様に寄り添う方法を模索することが重要になります。そのためには、全従業員が共有できる、明確な「自社の社会的役割」が必要です。全従業員の「自社の社会的役割」の完全な理解こそが、優れた顧客体験を実現します。

※ 自社の観点から、自社の社会的役割をみつける概念として、「ゴールデンサークル」が参考になります

※ 顧客の観点から、自社の社会的役割をみつける概念として、「ジョブ理論」が参考になります

 

ビジネス目標を設定する

インバウンドマーケティングの目的は、お客様の成長です。しかし、「実の商人は先も立ち、己も立つ」、継続的な事業運営のためには、自社ビジネスの成功も必要不可欠です。

不可能とも思えるような高い目標達成には、メンバー全員の力の結集が必要不可欠です。

部門を超えて共有されたビジネス目標は、部門間の連携を促進し、セクショナリズムの解消します

また、目標に向かって進んでいる実感は、従業員への刺激になります

さらに、目標への進捗度合の振り返りを通して、さらなる改善点を発見することができます。

※ 全社横断的な目標設定には、OKRメソッドという手法が参考になります。

 

バイヤーペルソナを作成する

自社の製品を、ありとあらゆる全ての消費者に購入してもらうことは、残念ながら、不可能です。また、自社の製品に向いていない相手に製品を購入していただけたとしても、最終的には不満につながってしまいます。そうした商品への不満は、悪い評判の基となり、新規顧客の創出の阻害要因になります。つまり、ビジネス目標の達成には、自社の商品に満足して頂けるであろう、「理想的な顧客」への注力が、重要と言えます。

この理想的な顧客像のことを、バイヤーペルソナと呼びます。バイヤーペルソナを定めることで、自社がどういう情報を、どういったテイストで提供していけば良いのか、見えてきます。さらに、どのコンタクトが有望であるか、どのコンタクトに注力すべきかを見極める判断基準としても活用できます。理想的な顧客が、どんな人なのか、どんな特徴を持っているのかを、全社を巻き込んで、深掘りしていきましょう。

※ Hubspotが提供するバイヤーズペルソナの作り方とシートの記事はこちらです。

 

バイヤージャーニーを作る

具体的なマーケティング施策は、ペルソナが購買に至る過程を踏まえて、立案することが重要です。顧客が「自ら積極的に調査を行いながら、購入へと至る」までのプロセスを、バイヤージャーニーと呼びます。バイヤージャーニーは、3つのステージで構成されます。

 認識ステージ  :情報収集を行うことで、自分が抱える問題や課題を認識

 検討ステージ  :問題解決の選択肢を把握したうえで、どれが良いのかを検討

 意志決定ステージ:主な選択肢の比較と、購入の意思決定

バイやジャーニー

バイヤージャーニーを活用すれば、顧客が抱えている問題を、自社の事業活動の中心に据えることができます。

たとえば、自社のサイト作りにおいて、すべてのステージを網羅したコンテンツを整備することで、どのステージの顧客にとっても有益な価値の高いサイトを提供できます

また、セールス活動において、目の前の顧客がどのステージにあるのかを知ることで、顧客にパーソナライズしたコミュニケーションを提供することが可能になります

 

 

バイヤージャーニーに合わせたコンテンツをそろえる

インバウンドマーケティングでは、こちらから無理に消費者に働きかけるのではなく、有望なターゲットを呼び込むことを目指します。そのために、企業が用意するべきものは、コンテンツです。

コンテンツは、自社の声を体現するものであり、多くの消費者とのコミュニケーションを可能にします。良質のコンテンツを作れば、検索エンジンでの順位も上がり、消費者の目に留まることができます。

では、良質なコンテンツとは、何でしょうか?それは、ニーズに応えたコンテンツです。顧客のニーズは、それぞれのステップに応じて、異なります。それぞれのステップに対応したコンテンツを、バイヤージャーニーを踏まえて、提供していきます。

 

 認識ステージ:顧客の問題について解説し、その問題に関する情報や知識を提供するコンテンツ

 検討ステージ:問題の解決策に関するコンテンツ

 決定ステージ:自社の製品やサービスに関する疑問に答えるコンテンツ

 

コンテンツの露出先は、自社の企業サイトだけではありません。Facebook、Instagram、YouTubeをはじめとする各種SNSも、重要な流入源になります。ターゲットがよく利用するチャネルで情報発信すれば、効果的に流入を創出することができます。もし、ソーシャルを使うユーザーが多いようであればソーシャル戦略を立てる、検索を使うオーディエンスが多いようであればSEOを強化することが、望ましいと言えます。ペルソナがアクセスしやすいチャネル(オウンドメディア、SNS、メルマガ)を介して、適切な形式(動画、ブログ、ピラーページ、ウェビナー)で、提供していきましょう

また、インバウンドマーケティングでは、顧客に寄り添うために、1対1でやり取りができる環境構築を目指します。来訪者が、自らの個人情報を提供してでも、手に入れたくなるような魅力的なオファーコンテンツ(ホワイトペーパー、ウェビナー)を用意します。消費者と直接つながることができれば、そこからは、相手の反応を見ながら、きめ細やかな対応が可能になります。

 

インバウンドマーケティングで大切なこと

フライホイール型モデルの導入

インバウンドマーケティングでは、ビジネスを表すために、通常のファネルではなく、円環型のフライホイールを用います。

ファネルとフライホイール

製品の購入を決めた顧客の満足度が高ければ、クチコミは、新たな顧客創出の追い風になります。しかし、顧客満足度が低ければ、クチコミは新たな顧客創出の逆風にもなります。フライホイールでは、製品購入後の顧客満足度が、新たな案件創出に影響を与えることを、表現しています製品の購入後も、顧客に寄り添い、顧客との信頼関係を構築しつづけるよう、心がけましょう。

 

コンテンツ作りで陥りがちな間違い

コンテンツ作りで大切なことは、ターゲットの問題解決に必要な情報をカバーすることです。コンテンツでは、自社の製品やサービスを紹介するだけでなく、顧客の抱えている問題を解決するようにしましょう。ただし、その時の「顧客」には、自社の製品やサービスの購入者となる可能性の高いバイヤーペルソナを意識するようにしましょう

 

人間味のあるやり取り

インターネットを介した非対面の環境では忘れがちですが、やり取りの相手は、すべて生身の人間です。どんなときにも、思いやりと暖かさが伝わる人間らしさの伝わるコミュニケーションを心がけましょう。

 

一貫性と情報共有

企業のメッセージ、姿勢が、毎回異なるようでは、顧客からの信頼を失ってしまいます。また、担当者が変わるたびに同じことを何度も聞かれるようでは、消費者は苛立たれるに違いありません。

消費者の信頼と安心を獲得するために、一貫性と情報共有を大切にしましょう。そのためには、コンテンツを製作するマーケティング部門だけでなく、営業活動を通してお客様の購買活動を後押しするセールス部門、購入後のお客様のサポートするカスタマーサクセス部門も、インバウンドマーケティングの哲学を守ること、ビジネス目的を共有すること、そして、情報を一元管理することを、心がけましょう。

 

インバウンドマーケティングに、なぜ、MA、CRM、SFAが必要か

コンテンツマーケティングとインバウンドマーケティングの違い

価値の高いコンテンツを通して潜在顧客にアプローチする、という考え方は、コンテンツマーケティングでも同様です。では、インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングでは、何が違うのでしょうか?

それは、コンテンツ以外の手段の存在です。顧客に価値を提供する手段は、コンテンツだけではありません。インバウンドマーケティングでは、セールス部門はお客様にパーソナライズした情報をお届けすることで、価値を提供することができます。また、カスタマーサクセス部門も、購入後のサポートを通して、顧客の課題解決に貢献することで、より満足度の高い顧客体験を生み出すことができます。つまり、インバウンドマーケティングはコンテンツマーケティングを内包していると言えます。

セールス部門とカスタマーサクセス部門がお客様に寄り添うためには、パーソナライズしたコミュニケーションの送信先、つまり、「お客様の個人情報」が必要になります。オファーコンテンツを使って、お客様の個人情報を取得することも、インバウンドマーケティングの独自性です。

 

インバウンドマーケティングの実現に必要な仕組み

インバウンドマーケティングを実践するためには、コンテンツを制作し、ウェブアクティビティを管理するマーケティング部門だけでなく、営業活動を通してお客様の購買活動を後押しするセールス部門、購入後のお客様のサポートするカスタマーサクセス部門も、大切な役割を担います。このとき、「一貫性と情報共有」を実現するためには、そのための仕組みが必要です。それが、お客様の情報を蓄積し、共有するCRM(Customer Relationship Management)です。また、CRMからバイヤーペルソナに近いコンタクトを抽出することで、重点的に注力すべきターゲットを発見することができます。

CRM-1

 

また、インバウンドマーケティングでは、お客様が求める情報を、適切なタイミングで届けることが大切です。お客様が情報収集するタイミングを検知する仕組みが、MA(Marketing Automation)です。MAは、登録されたお客様の、自社ウェブサイトにおけるアクティビティを、取得することができます。お客様が自社のサイトにアクセスして調べ物をされているということは、お客様が新しい情報を必要とされている、つまり、購入意欲が高まっているということが言えます。顧客の属性情報だけではなく、行動情報も参考にすることで、有望顧客の抽出精度を向上させることができます。

 

MA

 

MAを通して検知した、購入意欲が高まっているお客様に対しては、迅速に、営業活動を行う必要があります。マーケティング部門からセールス部門へのスムーズな連携を実現するための仕組みが、SFA(Sales Force Automation)です。SFAを通して、セールス部門がスピーディにお客様に寄り添うことができれば、お客様の信頼は高まり、スムーズに購入へと進んでいきます。

SFA-1

 

Hubspot社が、CRM、MA、SFAを一体型システムとして提供しているのは、お客様に寄り添い、お客様との信頼関係を築く「インバウンドマーケティング」の実現に、必要不可欠なシステムだと考えているから、と言えます。

 

自社の取り組みで見えてきた「困難」と「成果」

弊社は2019年にHubspotを導入し、インバウンドマーケティングを始めました。

しかし、中小企業の悲しさ、残念ながら、マーケティング専任を割り当てることはできませんでした。仕方なく、自分が中心になって活動を始めましたが、既存業務も抱えながらの兼任で、なかなか前に進みません。また、自分はコンテンツを制作することに慣れておらず、ひとつのコンテンツを書き上げるのにも、多大な時間を要したため、記事数も増えず、流入も期待に遠く及びませんでした。

Hubspotのカスタマーサクセス担当にご相談したところ、編集会議で従業員を巻き込み、協力者を増やすこと、そして、まずは既存事業での事例実績、ノウハウをコンテンツ化するというアドバイスを頂きました。現在は、営業、生産技術、生産現場の従業員も参加するようになり、コンテンツ制作のスピードも向上してきました。また、副二次的な効果ですが、事例実績、ノウハウのコンテンツ化を通して、社内の暗黙知を形式知として表出化させる良い機会になったように感じています。また、既存顧客のお客様からも、お褒めのお言葉を頂くこともあり、徐々に効果が出てきたように感じています。

 

コンテンツの良いところは、使い捨てにならず、蓄積していくことです。紙媒体の情報誌の場合、掲載記事は、配布月に読んでもらうことはできますが、翌月以降に読んでもらうことは、まずありません。コンテンツをウェブサイトに掲載する場合、検索流入を通して、継続的に読者を獲得することができます。時間がたてばたつほど、コンテンツ数が増えれば、サイト全体へのアクセス数の増加を期待できます。また、作成したコンテンツが長期に渡り読まれることで、コンテンツ作成に費やされた費用の回収が進む、費用対効果が改善していく、と捉えることができます。

もちろん、ウェブコンテンツにも、課題はあります。それは、紙媒体と違い、掲載月は、検索上位が上がらず、流入が期待できないことです。その対策として、検索での流入以外に、SNSでの告知、メールマガジンでの更新通知を組み合わせる必要があります。Hubspotでは、新規コンテンツの掲載時に、自動的にメールマガジンを発信する、SNSに掲載する機能が実装されており、手間をかけず、多チャンネル展開が可能になっています。

 

CRM、SFAについても、滑り出しは、非常に苦労しました。その理由は、顧客リストの登録です。CRM、SFAを正常に稼働させるためには、顧客情報を登録する必要がありますが、弊社は創業100年を超える歴史を持ち、既存顧客だけでも膨大な数になります。手作業で登録するとなると、多大な労力が必要となることが見えていました。弊社の場合、名刺管理システムのSanSanを契約し、スキャナを使って、情報を登録し、Hubspotに流し込むことにしました。現在では、ほぼすべての顧客がCRMで網羅され、だれもが容易に情報を共有できる環境が構築できています。

※ SanSanとHubspotの連携についての記事はこちらです。

 

なぜ、印刷会社が、Hubspotの導入支援を行うようになったか

弊社は、名前の通り、印刷の会社です。しかし、Hubspotの自社運用だけでなく、他社への導入支援にも取り組んでおります。不思議に思われるかもしれませんが、それには理由があります。

 

お客様のビジネスの成長にもっと貢献したい

弊社は印刷業です。印刷業の事業の目的は、「情報を伝達すること」です。しかし、その「情報を伝達する」本当の目的は、「クライアントの商品を、もっと世の中に広めること」です。

デジタルでの情報発信は、言うまでもなく、非常に強力な情報伝達のツールです。「クライアントの商品、サービスをもっと世の中に広める」という、本当の目的を実現するには、弊社は、印刷物という既存の方法に囚われず、ありとあらゆる方法を用いるべきだと、考えています。わたしたちは、デジタルでの情報発信でもクライアントのパートナーとして、貢献していきたいと考えています。

 

もちろん、インターネットが登場した今でも、印刷物が、情報伝達の強力な手段であることに変わりありません。そして、「どの情報を、どのタイミングで、誰に送るのか」ということは、デジタルだけでなく、印刷物でも、同様に重要です。CRM、MA、SFAを活用して、印刷物をお届けすれば、印刷物を、より効果的に使うことができます。わたしは、印刷物の配信にCRM、MA、SFAを活用することで、今まで以上に、クライアントの成功と発展に貢献したい、と考えてます。

 

印刷物を無駄にしたくない

認知向上を目的とする印刷物(チラシ、DM)は、「下手な鉄砲数うちゃ当たる」のように、一定の外れを見込んで配布します。しかし、「外れ」の人に届いた印刷物は、ゴミ以外の何物でもありません。ゴミとなる印刷物を作ることは、素材である木質資源を無駄にし、製造に費やされたエネルギーを無駄にします。また、印刷物を受け取った人が喜ぶこともありません。そして、印刷物を依頼したクライアントは、無駄な費用を費やしたことになります。最近、よく耳にするSDGsの精神にも反する行動です。

無駄な印刷物を作らない、印刷物をより無駄なく活用するには、「適切な情報を、適切なタイミングで、適切な人に届ける」ことが大切だと考えています。つまり、CRM、MAは、印刷業の持続的発展のためにも、必要不可欠なツールと考えています。

 

印刷会社こそ、MAをうまく使いこなすことができる

印刷会社は、長いお取引の中で、クライアントの業界、クライアントのお客様(消費者)を熟知しています。このことは、コンテンツ作成にあたり、大きなアドバンテージとなります。そして、印刷会社は、長いお取引の中で、印刷物を制作するための多くの「ネタ」を蓄積しています。この「ネタ」こそが、コンテンツを作る大切な「鉱脈」となります。わたしは、いままで印刷物でお手伝いをさせて頂いてきたクライアントにも、新たな形で貢献していきたい、と考えています。

 

「古き良き、日本の中小企業」に貢献したい

CRM、MA、SFAは、あくまでプラットフォームであり、運用は、導入企業が自分自身で行うことになります。つまり、ウェブサイト作成のように、外部の制作会社に丸投げして終わるものではなく、自社が継続的に使いこなしてこそ、効果が発揮されます。

しかし、中小企業の実態は、人的リソースに余裕はなく、さらに、IT技術に秀でた人は限られます。ウェブテック系の導入支援企業は、そういった日本の中小企業の実態を理解しておらず、導入先のITリテラシー、ITインフラ環境を考慮しない、一足飛びの導入提案を行うことがあります。

わたしたち、岡村印刷は、導入にあたって、少なからず苦労を乗り越えてきました。そういう私たちだからこそ、ハードルの低い、身の丈に合った導入支援をご提案できるはずだ、と考えています。日本を支える「古き良き中小企業」に、寄り添っていきたいと考えています。

 

 

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Topics: マーケティング, CRM、MA、SFA