超印刷

印刷について、発信しています。

ZMOTとは~Googleが提唱する購買意思決定のプロセス

岡村匡倫
Posted by 岡村匡倫 on Jul 22, 2022 11:59:13 AM

 

ZMOTという言葉を聞いたことはありますか?

ZMOTとは、Googleが、顧客の意思決定として提唱している概念です。ひとことで要約すると、「顧客は店舗に足を運ぶ前の段階、つまり、インターネットでの情報収集の段階で、どの商品を購入するのかを決めている」という考え方です。

スマートフォンの登場以来、消費者は、店舗を訪れなくても、多くの情報を手に入れることができるようになりました。そのために、店頭に商品を並べていたとしても、インターネット上で見落とされると、選択肢として土俵に乗ることさえ、できなくなりました。

FMOT

ZMOTという言葉が生まれる前に、FMOTという言葉が存在しました。FMOTは「First Moment Of Truth」の頭文字です。「First」とは、商品を目にした瞬間のことを指しています。そして、「Moment Of Truth」は「消費者が、商品の購買を決定する瞬間」を指しています。

 

一般消費者向けの超大手メーカーであるP&Gは、消費行動調査から「顧客は店頭の商品棚を見て、3~7秒で商品を購入するかどうか判断している」と分析しました。P&Gは、店頭で商品選ぶ消費者を想定して、売り場で商品をより目立たせるためのPOP(販促展示物)や、パッケージデザインといった、店頭の可視要素の改良に重点を置き、ビジネスを大きく伸長させました。これがFMOTに基づいた販売促進です。

 

ZMOT

しかし、インターネットが普及するにつれて、顧客の行動は変化しました。現在は、ほとんどの消費者は、インターネットで入念な商品の下調べをして、どの商品を購入するのか決めてから、店頭を訪れるようになりました。その変化に適応するために、企業は、消費者が店頭に来る前に商品に関する情報を届けること、つまり、ウェブサイトにおける情報発信に重点を置くようになっています。

店頭に来る前の情報収集を、Googleは、Firstの前であるZeroとして、「Zero Moment Of Truth」、つまり「ZMOT」と名付けました。

※ GoogleがZMOTについて記載した原文は、下記リンクにあります。英文ですが、興味がある方は、ぜひご覧ください。
Winning the Zero Moment of Truth - Think with Google

 

ZMOTに基づいたマーケティング活動を実施するには、ただ、自社サイトに商品情報を掲載するだけでは、不十分です。SEO、広告掲出、SNS活用など、さまざまな取組が求められますが、最適な組み合わせを判断するには、消費者が「どのような情報を求め」「どのようなサイトを見ているのか」ということへの考察が必要です。

グローバルにおけるMAトップシェアを誇るHubspot社は、消費者への理解を深め、消費者に寄り添い、信頼関係を築く「インバウンドマーケティング」というマーケティング手法を提唱しています。Hubspot社のEラーニング教材を要約した記事を、下記リンクにて書かせて頂きました。

 →顧客に寄り添い、顧客との信頼関係を築く「インバウンドマーケティング」とは

 

2020年に始まりました新型コロナウィルスの感染拡大により、店頭への訪問数は減少し、ECへの移行が進んでます。BtoBにおいても、展示会、イベントの開催は困難になり、営業活動が停滞が見受けられます。今までにも増して、消費者の情報収集は、インターネットに依存するようになりました。この傾向は、新型コロナウィルスが収束したとしても変わらず、この傾向はますます進むと予測され、企業としても、いち早く、対応していく必要があります。

 

Topics: マーケティング