“女人高野”として知られる奈良の古刹、室生寺様(奈良県宇陀市)で11月2日から12月1日まで紅葉のライトアップが行われ、多くの参詣者でにぎわいました。奈良を訪れる観光客にもよく知られるようになった室生寺様の紅葉ライトアップですが、今年から参詣者の足元を照らすオリジナルのランタンがお目見えし、新たな風情が加わりました。当社で作らせていただいた、このランタンについて紹介いたします。
景観と足元の安全をどう両立するか

室生寺の表門

太鼓橋
室生寺は奈良時代に創建された真言宗のお寺です。同じ真言宗の高野山金剛峰寺が女人禁制だった一方、室生寺では女人の参詣を受け入れたことから“女人高野”と呼ばれ、広く女性の信仰を集めました。うっそうとした山あいに広がる境内には、五重塔をはじめ国宝の堂宇が建ち並び、四季折々に趣のある景観を見せてくれます。ここで夜の紅葉を楽しんでもらおうと、夜間拝観のライトアップが始まったのが10年前のこと。今では期間中3000人から4000人の方が訪れ、県内でも有数の人気の紅葉ライトアップとなっています。

室生寺のライトアップ

室生寺 執事 山岡 淳雄 様
しかし、ライトアップを運営するに当たり「長らく課題となってきたことがありました」と同寺執事、山岡淳雄さまは言われます。ライトアップでは頭上の紅葉にライトを向けて照らすため、その分、足元は暗くなってしまいます。そこで安全上の配慮から、一部のライトを下に向けることもいったん試みられましたが、足元は明るくなるものの、逆に目に光が入ってまぶしく、景観も損なわれてしまいました。順路の大半がごつごつとした自然石を積み上げた石段でできているなか、「厳かな雰囲気を守りながら、いかに歩きづらさを減らして安全に見ていただくかを常に考えてきました」。


自然石の石段を通って巡る境内。夜間は足元がおろそかになりがち
オリジナルランタンの制作をご提案
そうした折、ライトアップを控えた今年9月下旬、当社からご提案させていただいたのが、参詣者に持って歩いていただけるお寺独自のランタンの制作でした。「ランタンで足元を明るくできることが、まず第一。それにオリジナルデザインで作れるなら寺の雰囲気にマッチさせられ、持って歩いていただくことでむしろ景観が良くなると考えられたことが決め手になりました」と、山岡さまはご採用の理由を話してくださいます。

景観にマッチし、安全向上にもつながるためご採用いただいた
室生寺様オリジナルの和風ランタンは、内照式の電飾看板などに使われる印刷技術を応用して制作させていただきました。耐水性・耐油性のある数種類の合成紙のなかから、裏側から光を照らしたときに美しく光が透過し拡散するものを選んで素材として使っています。光源は、単4電池3本で駆動するLED電球を内蔵。デザインは専用プリンターで印刷することで、短い納期に対応できるとともに、数十個という小ロットでの制作を可能にしています。

光源には乾電池式のLED電球を内蔵
オリジナルデザインからお寺に関心を持っていただく
同寺のある室生の地は、谷を流れる清流や、龍が住むといわれる山中の龍穴などから龍神の信仰があり、“龍神の室生”として知られています。ランタンのデザインで室生寺様が掲げられたテーマは、この「龍神信仰」と「女人高野」の2つでした。そこで、当社のデザイナーが龍と同寺の五重塔をモチーフとしてサンプルを作成。室生寺様と最初のご相談で、いったん龍の意匠を見直すことになり、約1週間で2つ目のサンプルを作成し、デザインを決定しました。日本式のランタンである提灯といえば、白無地や紅白を思い浮かべる人も多くいらっしゃると思いますが、オリジナルのデザインとする意味を、山岡さまはこう言われます。「日本の人でも、室生寺とはどんな寺なのかをよくご存じない方もおられます。龍や五重塔といったオリジナリティあるデザインを入り口に寺に関心を持ってもらうことで、また行ってみようかという思いにつなげるきっかけにしたいのです」

「女人高野」の象徴である五重塔と「龍神信仰」の龍をデザイン
ライトアップの楽しみ増すランタン
室生寺様では、今年の紅葉ライトアップで30個のオリジナルランタンを準備。1つ100円で貸し出されたところ、特にお子さま連れの家族やカップルなどに人気で貸し出しが増え、境内のあちらこちらで風情あるランタンが揺れる様子が見られました。

山岡さまは、ランタンを導入したことにより「足元が明るくなったというだけでなく、ライトアップの楽しみも増やしてくれました」と評価されます。お子さまを複数人連れたご家族は、子供の人数分ランタンを借りられることが多く、子供たちにとってはランタンを照らしながら歩くことそのものが楽しい遊びになっています。また、カップルは、ランタンを入れてスマホで写真を撮ったりして、ライトアップを一層満喫されています。




室生寺様では今年の利用状況をみた上で、来年以降、オリジナルランタンのデザインのバージョンを増やすことも考えたいといわれます。「安全対策にも、楽しみを広げるアイテムにもなるオリジナルランタンを使って、ライトアップをさらに楽しんでいただけたらと考えています」(山岡さま)当社は新しい印刷の表現を活かし、日本の伝統文化を新たな形で支えてまいります。
ところで、今回、制作させて頂いたランタンは「六角行燈」という名称で商品化し、販売しております。ご要望に合わせたオリジナルデザインをご提案できますので、提灯(提燈)、行燈、灯篭、カンテラといった様式でも、ご活用いただけます。全国各地の夏祭り、イルミネーションイベント、夜間拝観といった夜のイベントにご参加された方々の「楽しい想い出作り」と「暗闇での事故防止」の一助になりたいと考えております。サンプルお取り寄せ、お見積り、デザイン提案については、こちらからお問い合わせください。
☆ サンプルお取り寄せ、お見積り、デザインご提案
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