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究極の複製原画「ミストグラフ」とは

Posted by 杉山寧 on Oct 21, 2020 5:38:44 PM

 

みなさまは 「複製原画」をご存じでしょうか?

「複製原画」とは、作家の筆遣い、筆圧の濃淡までも忠実に再現した「究極の複製」です。

関連グッズは、ファンに、作品との「つながり」を提供してくれます。特に、複製原画は、インテリアとして飾ることができ、日常生活で活用することができます。また、複製原画を通して、作品が、より多くの方の目に触れることは、作家の方にとっても、嬉しいことです。

 

〇 複製原画の新しい価値

 

このように、多くの方に親しまれている「複製原画」ですが、昨今は新たな価値が注目されています。それは、「希少価値」です。近年のデジタル手法と3DCGの発達に伴い、アニメーションの制作作業はデジタル上に移行しました。つまり、原画はデジタルデータとして存在しますが、物質的な原画は存在しません。

 

この「物質としては存在しない原画」を、あえて、物質として定着させることで、新たな付加価値を加えることが可能になります。

 

たとえば、

 ・作家、声優の直筆サインを入れる

 ・限定数の制作とする(シリアルナンバー付き)

 ・原作にはない、オリジナルイラストの書き下ろし

 ・世界感にあった額を選び 額装する

 ・視覚効果のある、特殊な加工技術を施す

といったことが挙げられます。

 

人気作家の直筆サイン入り、さらにシリアルナンバー付の限定制作となると、好事家の間では、かなりの高額で取引されているようです。

 

 

〇 複製原画を作るためには

 

複製原画は、オリジナル作品と見分けがつかないほどの、忠実な再現性が求められます。つまり、正確なスキャン技術、そして、高い印刷技術が必要です。弊社、岡村印刷工業は、1998年から、「ミストグラフ」と呼ばれるデジタル版画の高品質ブランドを展開し、美術品の複製を行ってまいりました。

 

美術館、博物館は、多くの所蔵品をお持ちですが、展覧会での所蔵品の展示は、作品を外光、外気に曝すこととなり、劣化が避けられません。貴重な所蔵品の劣化を防ぐため、弊社は、展示用の複製品の制作を、長年、手掛けてまいりました。

 

実物を傷つけることなく、精緻なデータを取得し、さらに、色調の再現に深くこだわり、細部まで忠実に再現できる技術を磨いてきた結果、各教育機関や文化財保護施設のご依頼で、古墳壁画や屏風といった文化財のアーカイブ事業にも、関わらせて頂いております。

 

※ ミストグラフとは

インクを吹き付けて作品を完成させる「ジークレー」という技術に、独自の改良を加えた製法です。細かいインクが霧のように版画用紙に吹き付ける様子から、「ミストグラフ」と名付けられました。(→ミストグラフとは)

 

 

〇 日本のポップカルチャー発展のために、ミストグラフができること

 

日本が世界に誇るポップカルチャー、その代表はアニメです。アニメを通して、日本のことを知った海外の人も多いそうです。(サッカー選手のジダンも、サッカーを始めたきっかけは、キャプテン翼だと公言しています)

 

アニメーションは、日本にとって、娯楽という枠を超えた、世界に誇る産業と言えます。しかし、近年、多くの国が、サブカルチャーの潜在力に着目し、急激な成長を遂げています。(ゲーム業界では、すでに、資金力、スケールの面では、海外勢が勝っている状況です)

 

多くの国に追いかけられる日本ですが、近年、大きな変化が訪れています。それは、「小説家になろう」というサイトの登場です。プロではない、いわゆる、アマチュアが小説を公開することができるサイトです。しかし、見ているのは、一般消費者だけではありません。業界のプロ編集者も、魅力のある作品を求め、常に目を光らせています。もし、プロ編集者の目にとまれば、デビューとなり、書籍化、コミカライズ化、アニメ化と、あっという間にメジャーになることもあります。

 

数多くの作品のなかから、見つけ出した作品が、デビューを果たし、世の中で高く評価され、そして、メジャーになっていくことは、ファンにとって、自分自身の成功のように誇らしく感じられる出来事です。作品の作り手と、ファンは、急激に近づいています。

 

巷では、関連グッズの入手後、喜びを分かち合うために、「開封の儀」と呼ばれる儀式を行い、YouTubeで公開される方もいます。ファンの方の、作品への一途な思いを拝見すると、わたしたちも、作品に携わるものとして、喜びと感動を感じます。

 

 作品は、作り手とファンが世界観を共有し、盛り上げることで、より大きく育っていきます。わたしたちは、ミストグラフを通して、作り手とファンが、作品の世界観を共有するお手伝いをしたいと考えています。そして、そのことが、いつかは日本のPOPカルチャーの発展と繁栄に繋がると信じています。

 

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ミストグラフ制作のご相談は、下記スペシャルサイトの問い合わせフォームに、ご記入ください。

  →ミストグラフ、スペシャルサイト

 

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Topics: 印刷技術, ミストグラフ