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グラスにワンポイントの表現を加えるシール《DECOTTE》

岡村匡倫
Posted by 岡村匡倫 on Mar 16, 2026 4:40:14 PM

「インクそのもの」を貼る、新しいシールの可能性

 

グラスにさりげなくプリントされたロゴは、ご来店されたお客様の記憶に、自然と残ります。岡村印刷が新たに開発したシール DECOTTE(デコッテ) は、インクを直接転写する特殊なシールです。紙を使わないため、水に強く、ガラス・陶器・金属・アクリルなど、貼る素材を選びません。また、1点から作成が可能なので、「試しにやってみよう」という方にもお勧めできます。今回は、このDECOTTEをいち早く導入いただいた事例として、奈良・橿原の日本酒BAR「酒屋みよきく」様をご紹介します。

 

300年続く酒蔵が考えた、「伝え方」のアップデート

 

みよきく外観

「酒屋みよきく」は、享保3年(1718年)創業の老舗酒蔵・喜多酒造が、2022年7月、近鉄橿原神宮前駅の構内に立ち上げた日本酒BARです。長い歴史を通して守ってきた自社のお酒の魅力を大切にしながらも、新しい取組を通して、もっと多くの人に、もっと身近に感じてもらいたい。そんな思いの中で、DECOTTEは選ばれました。ここからは、喜多酒造・常務の喜多様に、導入の経緯と、実際に使ってみての率直な感想を伺いました。

 

「シールに見えない、と思いました」


「酒屋みよきく」は、うちの酒の魅力を、もっと多くの人に知ってもらいたくて始めたお店なんです。お店の暖簾に、喜多酒造の紋を入れたり、橿原神宮へご奉納しているお神酒「かむやまと」についてご紹介するパネルを設置したり、空間の世界観もしっかり作りこんでいます。

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お越しいただいたお客様に、より喜多酒造のことを印象付けるための新しい試みとして、利き酒グラスにも、お店のロゴを入れたいな、と思っていたところ、岡村印刷さんからDECOTTEを紹介してもらったんです。最初は「水を使うグラスに、シールを貼っても、大丈夫かしら」って思いました。でも、実物を見て、「あ、これは面白いかも」と感じました。


洗っても大丈夫。現場で“使える”という安心感

 

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試しに使ってみて、まず驚いたのは、耐久性ですね。立ち飲み屋なので、グラスは毎日ガンガン洗います。それでも、DECOTTEはまったく問題ありませんでした。それに、ロゴの細かいディティールまで、きちんと再現できている。これは想像以上でした。あと、思わぬメリットだったのが、ロゴが目盛りの目安になることです。以前は金属製の計量カップを使っていたんですが、お店の持っている和のテイストとちょっと違うなって思っていたんです…。今は、グラスのDECOTTEが自然と目印になっていて、スタッフも使いやすいみたいです。


小ロット対応が、現場にはちょうどいい

 

運用面でも、DECOTTEは助かっています。グラスが割れたときに、1個から追加できる。これは本当にありがたいですね。また、サンドブラスト方式と比べてコストを抑えられます。貼る作業も、最初は少しコツがいりますが、慣れてしまえば簡単です。いまは学生のスタッフでも問題なく対応できています。あまりに使い勝手が良かったので、利き酒グラスだけでなく、通常のグラスや、大吟醸用の足つきグラスにも使うようになりました。

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ボトル表現にも、「貼る」という選択肢


その流れで、「ボトルにも使えないかな?」という話が出たんです。今シーズン、特A地区の山田錦を使ったお酒を初めて仕込むことになって、せっかくなら、ラベルでも違いをしっかり伝えたいと思っていました。そこで、DECOTTEで精米歩合の数字をワンポイントで貼ってみたんです。

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 すると、立体感が出て、高級感のある、とても良い雰囲気になりました。将来的に、精米度の違うお酒を展開するときも、ベースのラベルはそのままで、精米度合の数字だけをDECOTTEで貼り替えればいいので、助かります。数字だけでなく色味も変えられるので、並べたときの見え方を想像するのも、今から楽しみです 

 

せっかくなので、実際に味わってみました

 

せっかく「酒屋みよきく」を訪れたので、今シーズン新しくリリースされたお酒を、実際にいただいてみることにしました。

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合わせたおつまみは、奈良県産ジビエの2種盛り(佃煮と燻製)。佃煮は、ひと口目から山椒の香りが立ち、ピリッとした刺激が食欲を呼び覚まします。一方の燻製は、酒粕に漬け込んだものを使用しているそうで、燻香の奥に、どこかまろやかな余韻が残る。日本酒との相性を、きちんと計算した味わいです。

お酒は、「御代菊(兵庫県特A地区 山田錦 × 水酛)、精米歩合60%」。グラスに注がれたその一杯は、やや甘口ながら、しっかりとした酸味があり、甘さだけが前に出ることはありません。アルコール度数は14%とやや低めで、口当たりが軽く、ついもう一口と杯が進みます。水酛(みずもと)には、清酒発祥の地とも言われる正暦寺ゆかりの乳酸菌で作られた「そやし水」を使用。さらに驚かされるのは、お店で出される飲み水にも、仕込み水をわざわざ持ち込んでいるという徹底ぶりです。

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ちなみに、兵庫県の特A地区とは、三木市吉川町、加東市、東条町の限られた地域のみ、だそうです。その貴重な酒米を使い、伝統的な製法と、現代的な感性で仕上げられた一杯でした。


ふとグラスに目を落とすと、そこにはDECOTTEで貼られたロゴ。主張しすぎず、それでいて確かな存在感があります。お酒を味わいながら、「この酒は、こういう想いで造られている」そんな背景まで、自然と伝わってくる。DECOTTEは、前に出すぎることなく、その“語り部”として、静かに役割を果たしているように感じました。

橿原神宮にお越しの際には、ぜひ「酒屋みよきく」に立ち寄ってみてください。お酒の味わいはもちろん、グラスやボトルに貼られたDECOTTEにも、少し目を向けてみてください。

 

表現を“固定しない”という価値

DECOTTEの魅力は、「きれいに貼れる」ことだけではありません。
•    小ロットで試せる
•    限定品・季節商品に使える
•    表現をあとから変えられる
この柔軟さが、酒造りや飲食の現場と、とても相性が良いと感じています。
「まずはやってみる」
「反応を見ながら育てていく」
そんな挑戦を、DECOTTEは無理なく支えてくれます。

 

まずは、ご相談ください

•    グラスにロゴを入れてみたい
•    ボトルに、もうひと工夫したい
•    限定酒・限定メニューで違いを出したい

そんなときは、まずはお気軽に、当社お問合せフォームから、ご相談ください。DECOTTEが、どんな使い方に向いているのか。御社の酒やお店に合う形を、一緒に考えます。「貼る」だけで、伝わり方は変えられる。DECOTTEは、そのための新しい選択肢です。

Topics: 印刷技術