超印刷

印刷について、発信しています。

人工音声生成ソフトを活用した動画制作(事例紹介)

岡村匡倫
Posted by 岡村匡倫 on Feb 12, 2021 3:28:40 PM

 

このたび、新たに人工音声生成ソフト「ボイスソムリエ・ネオ」というソフトを使って、動画制作を行いました。新たな試みとして参考になればと、共有させて頂きます。

 

ボイスソムリエ・ネオとは?

 

簡単な操作で合成音声ファイルを作成できるソフトウェアです。アクセント調整はもちろん、音の高低や長さの調整など、さまざまな音声編集が可能なため、用途に合わせた音声を自在に作成できます。開発は日立ソリューションズクリエイトです。

 → 公式サイトリンク(https://www.hitachi-solutions-create.co.jp/solution/voice/index.html)

 

・特徴

簡単な操作で合成音声、外国語も作成可能

PowerPointとの連動ナレーションが作成可能

 

・案件

シャープ(株)様、統合型学習アプリケーション「Brain+(※)」の機能紹介の動画

 

 

※ 辞書や参考書などを搭載したタブレット向けの統合型学習アプリケーションです

 

使用者インタビュー(営業:門さん & クロスメディアセンター:丸山さん)

 

>どういった経緯で、お仕事のご依頼を頂いたのでしょうか?

門さん(営業)

今回の案件が始まる前から、既に、シャープ様が社内で作られた説明動画があったのですが、さらなる認知拡大に向けて、それをブラッシュアップしたいという話がでてきました。弊社は、シャープ様の電子辞書「Brain」のカタログ制作に関わっておりますが、その関係で、ご相談を頂きました。

 

>どういった用途、仕様ですか?

門さん(営業)

YouTubeでの公開を想定し、長さは3分程度。 既にあった動画の内容を網羅したうえで、さらに、機能紹介を充実させ、より訴求力が高まるように、音声を追加してほしい、とのご依頼でした。

 

>すでにあった動画には、ナレーションは無かったのですか?

門さん(営業)

はい。BGMのみで、テロップで説明が入る形式でした。

 

>ナレーターさんにお願いして、音声を入れるという案もあったのですか?

門さん(営業)

はい、ありました。ただ、今回、コロナ禍において、密室となるスタジオ収録を避けるためにも、別の方法をご提案したいと考え、今回は新たな試みとして、音声生成ソフトをご提案させていただきました。

 

>今回、「ボイスソムリエ・ネオ」を選びましたが、それ以外のソフトもありましたか?

丸山さん(クロスメディアセンター)

はい。音声生成ソフトの候補は、複数ありました。ただ、今回は、弊社が音声を生成して、第三者に商用でご提供する「音声使用許諾ライセンス」が必要、さらに、動画の使用期限が分からなかったので、サブスクリプションではなく、買取形式のソフトを選定したいと考えていました。その条件に合致していたのが、「ボイスソムリエ・ネオ」だったということです。

 

>実際に使用した感想は、いかがですか?

丸山さん(クロスメディアセンター)

文章を入れるだけで、思った以上に、人間らしく読んでくれると感じました。より人間の発話に近づけるため、イントネーションを調整していくのですが、細かいところまで調整でき、良い形に作りこむことができたと感じています。

話者設定画面話者設定画面
発話設定画面発話設定画面
テキスト入力画面テキスト入力画面

 

また、今回、収録が不要になることで、スケジューリングが組みやすいと感じました。通常は、完全原稿ができてから、ナレーションを収録します。前工程が完了してから、次工程に進む段取りでは、どうしても納期が長くなります。一方で、音声生成ソフトを使うと、完成原稿ができたときには、ナレーションも、ほぼ完成しているので、納期を短縮することができます。スケジュール

 

音声で確認しながら、原稿をブラッシュアップができるので、手戻りも少ないように感じました。音声無しで原稿を作ることは、慣れている人でも難しく、収録をしてから手直ししたい部分が、どうしても出てきます。そういった時には、収録された音源を、切り貼りして辻褄を併せざるを得ないのですが、どうしても、限界があります。音声生成ソフトの場合、そういう悩みは無いのは、大きな利点だと思います。

 

>今回、機械音声を使うにあたって、何か工夫はされましたか?

丸山さん(クロスメディアセンター)

今回、人物イラストを挿入しました。社内のイラストレーターが、希望イメージに合わせて、オリジナルで書き起こしてくれました。親しみやすさを感じて頂けるよう、かわいい感じでお願いしました。

イラスト_ウインクイラスト_案内イラスト_正面

 

>音声生成ソフトに対しての、お客様の反応はいかがでしたか?

門さん(営業)

今回、コロナ禍で、リモートが中心のやり取りでしたが、細かいところまで対応してもらえてよかった、とのお言葉を頂くことができました。特に、ナレーションの変更について、最後のギリギリまで対応できたことを喜んで頂けたように思います。

 

>それは本当によかったです。今後、チャレンジしたいことはありますか?

門さん(営業)

これからは、社内、社外を問わず、多くの場面で動画の活用が増えていきます。そういった動画で、音声を入れることで、訴求力を高めていきたいと思います。また、イベント等で使う音声等も作成可能なので、ご紹介できればと考えています。

 

>なるほど。期待しております!ありがとうございました。

 

 

制作実例を振り返って(まとめ)

 

録音した自分の声を聞き、思っていたのと、全く違って聞こえるご経験をされた方は多いかと思います。きっちりとしたナレーションは、簡単なようで、意外と難しいものです。プロのナレーターを雇い、スタジオを借りるコストを考えると、ナレーションを入れるハードルは、思った以上に高いと言えます。そのハードルを下げ、さらに、柔軟で迅速な対応が可能になる音声生成ソフトは、今後、活用していただける機会があると考えています。これからも増えゆく動画制作で、お役に立てるよう、弊社も研究に取り組んでまいります。

弊社では、音声作成のみならず、ご要望に合わせた企画提案、ストーリー作成も可能です。サンプルデモンストレーションのご依頼、ご興味やご質問がある方は、こちらまで、お問い合わせください。


Topics: 事例紹介