みなさまは、バガスという素材をご存じですか?
バガスとは、サトウキビの絞りかす(茎、葉など)です。サトウキビは、砂糖の生産を目的として、栽培されていますが、絞り汁の残り物であるバガスは、年間1億トンも発生していると言われています。このバガスは、通常、廃棄物として処理されます。しかし、このバガスから繊維を取り出すことで、バガスパルプとして再利用することができます。バガスの再利用は、紙の原料である森林資源の消費抑制に繋がるため、Co2削減に貢献できます。さらに、サトウキビの廃棄物削減にも寄与することができ、二重の効果が期待できます。
五條製紙株式会社「SDGsの導入と上手い紙の使い方」から
※ 余談ですが、世界中で大流行した「マインクラフト」というゲームでは、さとうきびから紙を作ることができます。
バガスを使った銘柄としては
特殊東海製紙:GAバガスーFS(シュガー) バガスパルプ10%配合+FSC® 非塗工紙
五條製紙 :GSバガス バガスパルプ10%配合 非塗工紙
五條製紙 :高白グロリアバガスFS バガスパルプ10%配合+FSC® キャストコート
などがあります。
非塗工紙はコーティングしていない紙(上質系)なので、インキが乗ると、内部に浸透するため、沈んだ色合いになります。一方、キャストコートは、キャストコーターで塗工し、ドラムの鏡面を塗工面に写して製造するため、鏡面のような光沢をもっており、インクが表面に乗りやすくなっています。
バガス紙の用途
昨今、環境問題が大きくクローズアップされ、SDGsへの関心も高まりつつあります。このバガス紙を名刺、会社案内といったツールでご活用いただくことで、環境に配慮する企業姿勢をアピールすることができます。また、タトウ形状にすれば、資料を差込むファイルとして使うこともできます。
なお、「GAバガスーFS(シュガー)」「高白グロリアバガスFS」は、FSC®となりますので、より明確に、環境配慮への貢献をアピールできます。
※ FSC®認証製品(Forest Stewwardship Council)
FSC®認証紙とは「適切に管理された森林」から切り出された木材を原材料とした用紙のことです。認証された製品を使用することによって、違法伐採などから森林を守り、健全な森林経営をサポートすることに繋がります
五條製紙株式会社「SDGsの導入と上手い紙の使い方」から
バガス紙の使用例
弊社でも、バガス紙を使って、資料を挟み込むタトウを作ってみました。
二つ折りの形状になっており、パカッと開くと、資料を挟み込めるようになっています。また、右下には、資料が落ちないよう、折り返しをつけています。受注生産品である抗菌ハイブリットバガスFS-Sという用紙を使い、抗菌効果も付与されております。会社概要を挟んで、お客様にお渡しする使い方を想定しています。
表紙イラストのモチーフは、奈良公園の生命の循環です。奈良公園は、鹿で有名ですが、道路、地面には、鹿の糞が撒き散らされています。夏には独特の臭気が立ち込めることになりますが、しかし、フン処理については、特別な費用は掛かっていないそうです。それは、地面に落ちている鹿の糞を、公園に住むフン虫が食べて、土に還しているからです。土に還った鹿の糞は、ミミズや微生物の力で、さらに良質な肥料として再生され、芝の養分として役立っています、そして、その芝は、再び、鹿の食料となっていくのです。このイラストは、奈良公園という空間で、食物連鎖、自然循環が成立していることを伝えています。また、余談ですが、鹿が、芝を食べてくれることで、奈良公園は、芝刈りの費用も掛からないそうです。地球にも、財布にも、優しい循環型社会が形成されています。
この紙製タトウは、クリアファイルの代用として使うこともできますので、脱プラスチックにも貢献できるのではないかと考えております。ご紹介させて頂きましたバガス紙タトウのサンプルをご希望の方、また、バガス紙を使ったツール制作にご興味のある方は、こちらからお問い合わせください。
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